トップメッセージ
住友电工グループの业绩につきまして、社长より概况をご报告いたします。

平素は格别のご支援を赐わり、ありがたく厚く御礼申し上げます。
当社グループの当期(2024年度)の业绩につきまして概况をご报告いたします。
当期の业绩
当期の世界経済は、米国では个人消费が安定し引き続き好调に推移しましたが、欧州では景気の持ち直しの动きが见られたものの停滞が続いており、また、中国では不动产不况が続き个人消费も低调で成长のペースが钝化しました。日本経済については、公司収益の改善を背景に设备投资が増え、雇用や所得环境も改善が进み、世界的な物価上昇の影响を受けつつも景気は缓やかに回復しました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、自动车分野でワイヤーハーネスの需要が堅調に推移したほか、环境エネルギー分野では電力ケーブルや受変電設備の需要が、また情报通信分野ではデータセンター関連市場向けの需要が、それぞれ拡大しました。このような環境のもと、当期の連結決算は、売上高は、4,679,789百万円(前期4,402,814百万円、6.3%増)と前期に比べ増収となりました。利益面では、売上増加に加えて、徹底した生産性改善やコスト低減、売値改善に努め、営業利益は320,663百万円(前期226,618百万円、41.5%増)、経常利益は309,496百万円(前期215,341百万円、43.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は193,771百万円(前期149,723百万円、29.4%増)と、いずれも前期を上回り、過去最高を更新しました。また、棚卸資産や政策保有株式の圧縮など資産効率の改善にも取り組み、税引前ROIC(投下資産利益率)は9.3%(前期7.6%)と、前期を上回る結果となりました。
対処すべき课题
今后の経済情势は、米国の追加関税をはじめとする政策见直しが経済活动全体に甚大な影响を及ぼすおそれがあるほか、ロシアによるウクライナ侵攻の长期化や中东情势の紧张、欧州?中国経済の停滞など政治的?地政学的リスクの高まりにより、世界経済の减速感が强まることが悬念され、当社グループを取り巻く事业环境は予断を许さない状况が続くものと予想されます。
このような情勢のもと、当社グループは、ありたい将来像「グロリアス エクセレント カンパニー」の実現を目指して、长期ビジョン「住友电工グループ2030ビジョン」で掲げている「グリーンな地球と安心?快適な暮らし」の実現に向けて、グループが一体となり企業価値向上に取り組み、その成果をステークホルダーの皆様、すなわち、「従業員」「お客様」「お取引先」「地域社会」「株主?投資家」に着実に還元?配分していくというマルチステークホルダーキャピタリズム(「五方よし」)に基づく経営を実践してまいります。
具体的には、製造業の基本であるS(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流?納期)、D(研究开発)のさらなるレベルアップに取り組むとともに、資産効率向上については、重要指標としているROICの改善に向けて、棚卸資産残高や営業債権?債務残高の適正化、設備投資案件の厳選実施、高付加価値品へのシフト、政策保有株式の圧縮などの取り組みを一層強化してまいります。特に、喫緊の課題である米国の追加関税につきましては、グローバルな生産レイアウトの最適化やサプライチェーンの見直しなど、当社として取り得る対策を講じるとともに、顧客とも丁寧に対話をおこない、業績への影響を最小化できるよう努めてまいります。また、2025年度は「中期経営计画2025」の最終年度であり、グループの総合力で成長戦略を推進するとともに経営基盤の強化に取り組み、各事業においては次の施策を進めてまいります。
环境エネルギー関連事業では、電力ケーブルにおいては、国内の設備更新需要等の捕捉に加え、脱炭素化に貢献する国家?地域間連系線や再生可能エネルギー関連の受注に努めるとともに、欧州での新拠点立上げ、コスト低減、品質向上、新製品開発、プロジェクトマネジメント強化にも注力してまいります。電動車向けのモーター用平角巻線においては、コスト低減による収益力の向上と、電動車の高電圧化に対応する次世代品の開発を進めてまいります。また、日新電機㈱との一層のシナジー創出に取り組むとともに、受変電設備においては国内の設備更新需要の確実な捕捉、生産能力増強、環境配慮製品の開発?提案強化に、またイオン注入装置や電子線照射装置においては国内外での拡販に取り組んでまいります。さらには、住友電設㈱も含めたグループ総合力を活かして、一層の受注拡大に努めてまいります。
情报通信関連事業では、生成AIの急速な普及によるデータセンター関連市場の一層の拡大が期待されるなか、この需要を確実に捕捉すべく、光デバイス、光配線機器、光ケーブルの生産能力増強、さらなる通信の高速化や低消費電力化を実現する新製品の開発に注力し、事業拡大に努めてまいります。また、海底ケーブル用の極低損失?大容量光ファイバ、世界で初めて量産に成功したマルチコアファイバ、第5世代移動通信システム(5G)やさらに高度化する次世代移動通信システム(Beyond 5G)基地局用の高効率な電子デバイス、新方式採用が進むアクセス系ネットワーク機器など、低消費電力等の環境性能を含めた高機能製品の開発?拡販を継続?加速するとともに、徹底したコスト削減による収益性の改善に努めてまいります。
自动车関連事業では、モビリティの「つなげる」パートナーとして「つながる」ビジネスの拡大を目指し、一層のコスト低減と資産効率化の徹底、軽量化ニーズに対応したアルミハーネスのさらなる拡販、生産自動化やコスト低減に繋がる新設計?新工法の拡充など従来ハーネスの進化に取り組んでまいります。また、グループ内連携、顧客との協業やパートナー関係の深化により、電動車向けの高電圧ハーネス、高速通信用のコネクタなど今後も拡大が見込まれるCASE市場をとらえた新製品創出?拡販にも努めてまいります。住友理工㈱では、自动车用防振ゴム及びホースなどの分野において、既存事業の収益力強化を図るとともに、今後の事業成長に向けては、次世代モビリティ向けの新製品開発に重点をおいて取り組んでまいります。
エレクトロニクス関连事业では、微细回路形成技术を活かした贵笔颁(フレキシブルプリント回路)製品や颁础厂贰対応製品、医疗用製品の拡贩、高周波化に対応した新製品の开発を加速するとともに、彻底したコスト低减を进めてまいります。照射架桥技术を活用した耐热?高机能电线、リチウムイオン电池用リード线(タブリード)、热収缩チューブに加えて、多孔质分离膜製品においても、多様な客先ニーズを捕捉して事业の拡大を図ってまいります。また、㈱テクノアソシエとの连携强化にも取り组んでまいります。
产业素材関連事業では、超硬工具においては、グローバルな営業力の強化により、主力の自动车分野に加えて、建設機械、農業機械、エレクトロニクス分野等での需要を確実に捕捉するとともに、電動車、航空機、半导体、再生可能エネルギー関連などの新規開拓も進め、市場シェアの拡大に努めてまいります。焼結部品は、電動車や非車載向けの新製品開発?拡販とコスト競争力の一段の強化を図ってまいります。PC鋼材やばね用鋼線は、グローバルな製造販売体制の強化と新製品開発による収益力の向上に取り組んでまいります。
研究开発では、多様な技術創出の「要」となる研究开発の活性化?スピードアップを目指し、社会課題からのバックキャスティングやプロセスの高度化?効率化、オープンイノベーションや社外との連携強化に取り組んでまいります。具体的な取り組みとしては、現行事業の進化として、事業部門?営業部門との密な関係や顧客とのパートナー関係を活かし、中長期計画の注力事業分野である、送電網強化と再生可能エネルギーの安定供給、通信ネットワークの大容量?低遅延化、モビリティにおける電動化などのテーマに取り組んでまいります。また新規テーマの挑戦として、「地球」「暮らし」「ヒト」の3つを価値領域として定め、「地球」の持続可能性のため、省エネルギー、再生可能エネルギー、材料循環等の研究を推進するとともに、安心で安全な「暮らし」、「ヒト」の可能性の拡大を目指す研究を推進してまいります。
最後に、法令遵守や企業倫理の維持は、当社経営の根幹をなすものであり、企業として存続?発展するための絶対的な基盤と考えております。今後とも、住友事業精神の「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」という理念のもと、社会から信頼される公正な企業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。また、住友事業精神と住友电工グループ経営理念のもと、サステナビリティを巡る課題である、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康?労働環境への配慮や公正?適切な処遇、取引先との公正?適正な取引、自然災害等の危機管理を通じて、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
皆様におかれましては、今后とも一层のご理解とご支援を赐りますようお愿い申し上げます。
2025年5月
社长 井上 治